運転者が急ブレーキをかけて故意に事故を誘発と認定された裁判例

乗用車で、丁字路交差点を左折しようと停止した際、追突されたとして、被追突車両の運転者から損害賠償請求がされた事例において、被追突車両の運転者が、通常では考えられない23回もの回数の交通事故に遭遇し、相当金額の保険金を受領していたこと等からも、交通事故は、被追突車両の運転者が、急ブレーキをかけて故意に誘発したものと認定された裁判例

名古屋高等裁判所 令和4年(ネ)第212号、令和4年(ネ)第368号

岐阜地方裁判所 平成31年(ワ)243号、令和元年(ワ)515号   請求棄却、控訴棄却、確定

被追突車両の運転者が、丁字路交差点を左折しようと停止したところ、後続車両に追突され、外傷を負い、車両が損傷したとして、合計約800万円を請求する訴訟を提起した事案。

同運転者は、事故歴は10回程度であり、過去に保険金の支払いを拒絶されたこともないと主張していた。

しかしながら、その後、事故歴は直近15年間で少なくとも23回あり、相当額の保険金を受領しており、保険金の支払いを拒絶されたこともあることが判明した。

その他、事故状況に関する説明が不自然であるという点などを踏まえ、本件事故に関する同運転者の説明や陳述の信用性は極めて乏しいとして、同交通事故は、同人が故意に誘発した事故であると判断された事案。

 

出典  自保ジャーナルNo.2132、ウストロージャパン