養育費は、養育費を支払う側と受取る側が話し合いによって決めることができます。話し合いの中で、合意をすることができれば、養育費の金額を自由に決めることができます。
ただ、話し合いがまとまらず合意をすることができない場合には、家庭裁判所に申し立てをする必要があります。
その場合、裁判所が作成した養育費算定表が参考にされることが多数です。
ただ、算定表だけをみても、具体的な養育費の金額をイメージすることが難しいところもありますので、以下に算定表の見方について説明をします。
養育費を決めるための参考として、裁判所が養育費算定表を公表しています。
養育費は、原則として、養育費算定表を参考に、個々の事案に即して養育費を決められます。
養育費算定表に、以下の要素をあてはめることにより、目安となる養育費の金額を確認することができます。
・15歳未満の子どもの人数
・15歳以上の子ども人数
・養育費を支払う側の年収
・養育費を支払う側が、給与所得者か、自営業者か
・養育費を受け取る側の年収
・養育費を受け取る側が、給与所得者か、自営業者か
以下では、次の条件を例に、養育費の相場を確認する方法を、ご説明します。
・子:5歳の子1名
・養育費を支払う側:年収510万円、自営業者
・養育費を受け取る側:年収105万円、給与所得者
養育費算定表には、子の年齢と人数ごとに、「子1人表(子0~14歳)」「子2人表(第1子15歳以上、第2子0~14歳)」のように多数の算定表が用意されています。
今回確認する例は、5歳の子1名の場合ですので、「(表1) 養育費・子1人表(子0~14歳)」を使用します。
使用する算定表にそれぞれの年収をあてはめます。
まず、例では養育費を支払う側は、自営業者であり、年収は、510万円です。
そこで、「義務者」の「自営」欄を確認しますが、「512」と「496」という数値はありますが、「510」という数値はありません。その場合は、より近い数字を選択します。「510」は、「496」よりも「512」に近いため「512」を選びます(右の表の青枠)。
次に、例では養育費を受け取る側は、給与所得者であり、年収は、105万円です。
そこで、「権利者」の「給与」欄を確認し、「100」と「125」という数値のうち、「105」に近しい「100」を選びます(右の表の赤枠)。
そしてそれぞれの数値から、表中に線を伸ばし、交わった箇所に記載された数値が、養育費の目安となります。
そのため、今回の例であれば、月々の養育費は、6~8万円が目安となります。
そして、6~8万円を示す灰色の枠の上の方にあたるため、6万円よりは、8万円に近しい金額になる可能性があります。
これまでに確認してきた養育費は、子どもが5歳であることを前提としたものになります。
今後、子供が成長し、15歳以上になった場合には、「子1人表(子15歳以上)」を使用することになります。その場合、月々の養育費は8~10万円となります。
算定表の見方は、以上のようになります。
ただ、個々の事案ごとに具体的な事情を考慮して、養育費の金額が変わることもありますので、あくまで目安として考えることが重要です。