事務局代表

仕事に対する思い、依頼者の方へのメッセージ

大切にしている思い

法律問題に悩み、弁護士に相談しなくてはならない状況に陥ることは、一般的には滅多にないことです。ましてや、弁護士に事件を委任すること自体、多くの方はすることのない経験だと思います。

依頼者は、目の前に起きている問題に対し、大きな苦しみや不安を抱えていることがほとんどです。そうであるからこそ、私達スタッフ一同が依頼者と気持ちを共有した上で、安心して弊事務所に委任して頂けるよう努めています。

リーガルサービス向上のために

弊事務所のスタッフは、各自、依頼者の気持ちを最優先に考え、日々対応をしておりますが、さらに事案に応じて深い気持ちを持てるように、事務所一丸となって努力を続けています。

事務所のレベルアップのため、スタッフへの指導はもちろん、弁護士の依頼者に対する説明の仕方などについて、弁護士とともに議論をすることもあります。依頼者の思いに共感するという部分においては、弁護士に限らず、事務局の立場でも考えていくことができるからです。

スタッフミーティングの実施

ある日のスタッフミーティングでは、依頼者に対する担当弁護士の電話対応を代表弁護士やスタッフを含めて行いました。

弁護士が対応した依頼者との電話を録音し、まずはその内容を他のスタッフと共に聴きます。ミーティングの目的は、その対応が依頼者の気持ちを汲んだものとなっているか、担当弁護士の独りよがりの説明や単なるリスク説明に終始したものとなっていないか等の観点で考え、議論し、改善を図ることです。

依頼者との電話内容

その日に聴いた電話は、交通事故の過失割合が争点となる事案でした。過失割合に関しては、別冊判例タイムズNo.38という、多くの裁判例を集積し、交通事故の過失割合を類型別にまとめた書籍があり、賠償実務上、重視されるものです。ただ、その事例は判例タイムズのどの類型にも当てはまらず、仮に訴訟となった場合には、当方の過失が大きいのか小さいのか、あるいは中間的な判断がされるのか、裁判官によって判断が大きく分かれる不安定な事案であるというのが代表弁護士及び担当弁護士の一致した見解でした。このように、訴訟上のリスクが大きい事案であるため、私達としては、訴訟外において最大限の譲歩を相手方側から引き出し、解決に導くことが最善と考え、尽力して参りました。しかしながら、一方で相手方本人は、自身に責任がないという主張の一点張りでした。相手方代理人弁護士も相手方本人への説得の努力を尽くしていたケースではありましたが、相手方本人の強硬な思いから、訴訟外においては、残念ながら当方が納得できる提案を引き出すことができませんでした。

このような状況の中で、担当弁護士が依頼者に電話で説明をし、録音されたその電話内容を私達は聴きました。

電話対応への評価

その内容を聴いたところ、確かに担当弁護士は依頼者の怒りを自分のものとして捉えており、その思いは電話対応に表れていると感じられました。ただ、辛い状況ではあるものの、訴訟に向けて前向きな気持ちを依頼者に持って頂くことができたか、という点では、より依頼者の立場にたって対応するべきであるという意見が出されました。

そのため、ミーティングにおいては、弁護士として、依頼者の気持ちに寄り添うことは当然として、前向きな気持ちを持って頂くためにはどうしたら良いのかを検討し、議論を交わしました。

事案対応について

さらに、スタッフを含めて、事故現場を改めて訪れ、より裁判所に伝わる主張や立証方法を検討しました。スタッフ一同が依頼者への思いを強くして、依頼者と面談による打ち合わせをさせて頂きました。その面談では、真摯に依頼者と向き合い、最善の解決を図るべく努力する担当弁護士やスタッフの姿を見て頂き、今後の裁判の方針や私達の思いを聞いて頂きました。その結果、依頼者も訴訟に前向きになって下さり、笑顔を拝見することができました。

その後、その事案の結末としては、訴訟において当方の主張が裁判所に相当程度理解され、当方に有利な内容での和解を成立させることができ、良い解決につながりました。

前向きな説明

このような経験を通じ、弁護士のみならずスタッフ一同、依頼者の気持ちに真摯に向き合い、その思いを汲み取ること、そして丁寧に前向きな説明をさせて頂くことの大切さを実感することができました。私達の姿勢ひとつで、辛い状況であっても、依頼者の不安や苦しみを前向きなものに変えることができると思っています。

依頼者への思い

弊事務所は、弁護士、パラリーガル、セクレタリー、弁護士補助とそれぞれ立場の異なるスタッフで構成されています。立場はそれぞれ違っても、スタッフ全員が同じ思いを共有して仕事をしています。その思いとは、単に事案を処理するのではなく、依頼者に弊事務所に依頼して良かったと思って頂けるような対応をすることです。これからも、依頼者に対し最大限の愛情を持ち、そして最善を尽くすための努力を続けて参ります。

※注 この事件の依頼者からは、録音データをミーティングで用いることや、このホームページに掲載することについて、ご了承を頂いております。ご了承なく、会話の内容を録音させて頂くことはありません。