走行中に誤って電柱に衝突したとの申告により、相手方より依頼者に対し、車両保険金の請求が行われた事件。訴訟前より事故現場や事故車両の状態の調査、メーカーに対する車両の仕様について調査、当事者へのヒアリング等を当方にて行い、事故が相手方の意思に基づいて発生したものとの判断を行っていた事件である。
訴訟では、訴訟前の調査内容や尋問結果等を基礎として、相手方の主張する事故状況について客観証拠と整合しないこと、供述が不自然に変遷していること、相手方に動機が認められること等を指摘し、請求は認められないと主張した。その結果、原審(地方裁判所)は相手方の請求を棄却する判決を下した。
これに対し相手方から控訴がなされたものの、高等裁判所は、事故は相手方が故意に発生させたものであると認定し、相手方の請求は認められないとして、請求を棄却した原審判決を維持した。
掲載:
自保ジャーナル 1951号169頁<参考収録>
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