車両盗難において外形的事実の不存在から保険金請求を否定した判例

車両盗難に基づく保険金請求について、イモビライザーが装着されていたことや現場の状況、所有者の事情等を検討し、盗難の外形的事実の存在が認められないとして、請求を棄却した判例

名古屋高等裁判所 平成23年(ネ)500号(請求棄却)

名古屋地方裁判所 平成21年(ワ)2920号(請求棄却)

ベンツSL55P.P.AMGの盗難事案で、車両保険金1086万円の請求がなされた事案。秀逸なイモビライザーが装着されていたこと、目撃証言も盗難のサイレンを聞いた目撃者と現場が250mも離れその間に高低差のある造成地が存すること、控訴人主張のアリバイについても適確な証拠があるとはいえないこと、盗難の前にキーを盗まれたのち、鍵を無効化したり、駐車場所を変えたりする対策を講じていないことから盗難の外形的事実の存在が認められないとされたもの。


掲載:
自保ジャーナル1866号144頁
ウエストロー・ジャパン