運転者のシートベルト不着用につき1割5分の過失相殺を認めた判例

運転者のシートベルト不着用につき1割5分の過失相殺を認めた判例

名古屋高等裁判所 平成25年(ネ)943号(一部認容)

信号のない交差点における直進車両と交差道路直進車両との出会い頭事故。事故によりシートベルト不着用であった相手方は車外に放出され、脳挫傷等により死亡したため、相手方遺族らが損害賠償請求を求めたもの。
原審は本件事故につき、相手方がシートベルトを着用していたとしても重大な結果が生じていた可能性が高いといて、過失相殺はなされるべきではないとした。
これに対し控訴審では原審判決を変更し、事故後の相手方乗車車両において、運転席部分に直接的な損傷が生じていないこと、シートベルトを正しく装着していれば相手方が頭部を強打する可能性は極めて低いこと等の事情から、相手方の損害について、15パーセントの過失相殺がなされるべきであると判示した。


掲載:
ウエストロー・ジャパン
自保ジャーナル1930号35頁