事故態様及び過失割合が争点となった交通事故である。
本件は、被告の運転する四輪車が、原告C運転のC車両(大型自動二輪車)、原告A運転のA車両(大型自動二輪車)及び原告B運転のB車両(大型自動二輪車)に次々に衝突した事故である。原告らが、被告に対し、それぞれ損害賠償を請求し(乙事件及び甲1事件)、本件事故による被告車両の所有者の損害について保険金を支払った原告会社が、原告らに対し、共同不法行為の成立を主張して、保険代位により取得した不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害金の支払を求めた(甲2事件)事案である。
本件事故はいずれも被告車両がC車両、A車両及びB車両をそれぞれ追い越そうとした際に発生したものであり、被告には、追い越そうとする各車両の動静に十分に注意し、アクセル、ブレーキ及びハンドルを的確に操作すべき注意義務を怠った過失が認められるが、原告らは、意思を通じて対面信号機の赤色灯火表示を無視して次々に本件交差点に進入した上、本件西行車線に進入した後には、原告Cは低速で走行してY1車両の正常な進行を妨害し、原告Aと原告BはC車両の上記走行態様を制止することなく被告車両を追い抜いてC車両の前方を低速で走行したものであること等から、原告Cの損害についてはその全部、原告Aの損害については7割、原告Bについては9割、被告車両の所有者の損害については1割5分の過失相殺をした事例。
掲載:
交民 46巻6号1466頁
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